ベルギー・ブリュッセル駐在時の夏のある日。前日金曜の出張から夜遅くアパートに帰宅した私は、疲れていたのかドアをちゃんと閉めずに半開きのままシャワーを浴びて寝入ってしまいました。翌朝土曜日、寝床から何やら人の声がやたら明瞭に聞こえる。体を起こして目を開くと何と目の前には警察官の姿が。曰く「あなたの隣人からアパートのドアが開きっぱなしになっている、もしや空き巣ではとの通報を受けた」。びっくりしたのはこちら。警官が言うにはこのあたり最近空き巣が頻発しているとのこと。隣人の女性はとても申し訳なさそうにしていたが、「いやいや、ドアを開けっぱなしにした私も悪かった」と丸く収めました。
私はこの程度のごく軽い一件で済みましたが、空き巣や盗難の被害にあった話は自社を含めた他のブリュッセル駐在員からたくさん聞きました。バカンス中に空き巣に入られた、車上荒らしにあった・・・凄いのは帰任の引っ越しの時にニセの業者が現れて家具をまるまる盗まれたケースまで。出張者も同様で、ホテルチェックインの時目を離した数秒のうちに鞄を取られた、市内中心部のレストランの前で夕食後すこし油断している隙にあっというまにスられた等々。チェックイン盗難のホテルは出張者の定宿にしていたので、迎えに行った我々駐在員からホテルにクレームを入れましたが、たぶん糠に釘だったと思います。これらの盗難リスクはブリュッセルに限った話でなく、欧州の全ての都市で共通すると断言できます。出張者も駐在で赴任される方も、とにかく「隙があったら盗られる」の意識を忘れないようにしてください。
ブリュッセルの夏の夕べ。でも気を抜いてはいけない。特にお酒を飲んで食事をして良い気分になった後。
欧州チーム Y.T.