欧州駐在時にたびたび悩まされたこと。それはスト。鉄道やバス、航空会社、また空港のグランドスタッフも独自にストも行います。スト決行は概ね1-2週間に前に通知されるので出張のスケジュール変更を余儀なくされたのも一度でありません。
私の出向先(従業員500名ほどの生産法人。現地企業を20年以上前に買収)でも5年間の駐在期間中3回ストを打たれました。が、いずれも生産量が少なめの時期での1日だけのやや儀式的な性格のもので、事業への影響は殆どありませんでした。が、1回労使交渉がやや揉めたことがあり(とんでもない率の賃上げを要求してきました)、その時は事業所の門にピケを張り、我々出向者(経営側に入るわけですが)も含めて出社できないことがありました。
欧州社会は採用の時から基本的に「管理職層」と「ワーカー層」が厳密に分かれています。そのワーカー層(事務仕事の労働者も含む)が会社ごとでなく産業や職種ごと かつ地域ごとに組合を結成し、待遇の改善を会社に求める有効な手段としてストを打つわけです。おどろくべきは平均年収20万ユーロ以上と言われる航空会社のパイロットも立派な労働組合員で、時々ストを行います。
海外の多くの国ではストがある。この当たり前のことを事業の海外展開を考える上で理解しておく必要があります。
スイス・バーゼル駅。私の在欧中、スイスはストライキが相対的に少ない国でした。
欧州チーム Y.T.