拙いながらも、欧米人とのビジネス交渉の経験を多く重ねてきました。そのなかで私なりに学んだことを簡単に記します。
① 交渉は体力勝負。大事な案件であればあるほど交渉は長期戦になります。朝から会議を開始して夕方になっても自説を熱弁する欧米人の体力に驚かされたことは一度ではありません。ですので、こちらも体力で負けるわけにはいきません。体調を整えて交渉に臨みます。
② 一貫性と冷静さ。とはいっても、彼らは突拍子もないことを主張することがあります。彼らも人間。一貫してロジカルという訳では必ずしもありません。すでにほぼ合意済みの案件を蒸し返したり、急に何の前触れもなく新たな要求を出したり。そういうときは論議の主題に戻り、冷静かつ丁寧に問題点を指摘する必要があります。
③ 意思決定はその場で。これが多くの日本企業の最大の弱点で、「その点は東京本社に確認する」ばかりでは交渉に時間がかかってしまう上、立場が不利になります。交渉する人間への権限移譲が十分でないことが理由です。
④ 合意となればノーサイド。あれだけ交渉中は激しく言い合っても、終わればニコニコ。まる1日熱っぽく交渉し、心身ともクタクタとなった後のDinnerの場でも、相手はケロリとした顔で朗らかに飲み食いします。こっちはか弱い奴と思われたくないので、同じく頑張ってしゃべり、食べます。
なお、この学びは、多少のスタイルの違いがあっても、相手がブラジル人でも、インド人でも、中国人でも概ね当てはまります。
Dinner after a business negotiation in Brussels: mussels
欧州チーム Y.T.